110話 第四、英国ロンドン紀行の部 第一一〇、結婚儀式の大要
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結婚の当日は、新郎まず、あらかじめ期するところの寺院に至りて新婦の来たるを待つ。そのとき音楽を奏す。新婦はその父とともに堂内に入り、礼壇の前に至りてとどまる。新郎はその右に立ち、父はその左に立ち、僧はその前に立ち、新婦付き添いの婦人はその背に立つ。ときに僧、経文および誓文をとりてこれを誦し、新夫婦これに和す。すでにして結婚指環を新郎より新婦に与え、両人おのおの結婚の誓文を誦す。儀式の時間およそ三十分なり。終わりて住職の休息室に至り、おのおの帳簿に記名して結婚を証す。その後、両人同車して新婦の父母の家に至りて朝餐の席につく。その席には、両人の親戚、朋友、そのほか寺院の住職も列するなり。食事は冷肉のみを用い、美菓をその両人の前に置く。これを結婚菓子と称す。新婦包丁をとり、この菓子を分割するを礼とす。食事終わり次第、両人は旅服を着け旅行に就く。この旅行のことを甘月と称す。これを結婚儀式の大要とす。