欧米各国 政教日記

129話 第四、英国ロンドン紀行の部 第一二九、ヤソ教者悪人を感化するの力なし

442字 約1分 2012年10月21日 公開

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 友人某、ヤソ教者の家に遊ぶ。ヤソ教者曰く、世界中種々の宗教ありといえども、ヤソ教にしくものなし。欧米今日の文明といい、国勢といい、人民の道徳品行といい、社会の風俗習慣といい、そのこれを東洋に比して大いに懸隔するところあるは、全くヤソ教の力によらざるはなし。友人曰く、英国はヤソ教国なり、ロンドンに住する人民はヤソ教国の人民なり。この一府中にある寺院および僧侶ともに、千をもって数う。その寺院は人民を保護せざるにあらず、その僧侶は人民を訓導せざるにあらず。しかして市中の罪人悪徒、日に増し月に加わり、人を殺して利をたくましくするがごとき悪賊あるは、しばしば新聞上に見るところなり。わが国はヤソ教国にあらず、わが人民はヤソ教人民にあらずといえども、罪人悪徒かくのごとく多からず。ヤソ教者は世人の品行道徳を振起すというも、その力、罪人悪徒を感化することあたわざるか。これ、わがはなはだ惑うところなり。ヤソ教者曰く、君の論まことにしかり。余この点にいたりては、一言もって答うることあたわず。

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