136話 第四、英国ロンドン紀行の部 第一三六、ロンドンの黒煙
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ロンドンは十一月より二月に至るまで、およそ四カ月間は黒煙四方に遮り、終日日影を見ず。はなはだしきにいたりては、四隣灯をともし、白昼あたかも暗夜のごとし。政教子曰く、この魔霧、なおよく人民を教育するの力あり。けだし英人の性たる、街上の遊びを好まず、日業終われば必ず家に帰り、父母の諸仏と妻子兄弟の菩薩と一室に相会し、互いにその懐を放ち、互いにその歓をかたり、一場の極楽界を開くがごときは、全く戸外の気候の人身の健康に適せず、街上にありて愉快をとることあたわざるによる。