243話 第九、ドイツ紀行の部(付スウェーデン、デンマーク、オランダ、ベルギー) 第二四三、東洋学流行の一斑
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ドイツのライプチヒに、当時欧米各国の語にて発行せる東洋文学書類の名目を集めたる小冊子あり。今、西洋にて東洋学研究の流行せる景況の一斑を示さんため、その冊子中より右に関する書類の部数を挙ぐること、左表のごとし。
日本の歴史に関したるもの 五十三部
日本の文学に関したるもの 三十部
シナの歴史、地理、宗教に関したるもの 九十五部
シナの言語、文学に関したるもの 百二十一部
インドの史類に関したるもの 百二十八部
インドの考古に関したるもの 二十部
インドの哲学に関したるもの 三十七部
サンスクリット文学に関したるもの(仏教書中、サンスクリット語より訳するものはこの中に入るる) 三百九十七部
パーリ語学に関したるもの(仏教書中、パーリ語より訳するものはこの中に入るる) 三十一部
仏教に関したるもの(仏教に関したる西洋人の評論、著作等) 六十二部
そのほか蒙古、チベット、アンナン、シャム等諸国の文学、宗教に関したる書類また多し。西洋なおかくのごとし、いわんやわが国においてをや。日本学はもちろん東洋の諸学を研究するの必要、推して知るべし。