盈虚

中島 敦 完結 全1話 7,068字 約14分 2003年7月20日 更新

衛の霊公の三十九年と云う年の秋に、太子が父の命を受けて斉に使したことがある。途に宋の国を過ぎた時、畑に耕す農夫共が妙な唄を歌うのを聞いた。 既定爾婁豬 盍帰吾艾 牝豚はたしかに遣った故 早く牡豚を返すべし 衛の太子は之を聞くと顔色を変えた。思い当ることがあったのである。 父・霊公…
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初出 — 「政界往来」1942(昭和17)年7月

底本: 中島敦全集 2(ちくま文庫、筑摩書房) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

この作品には別の底本もあります — 中島敦全集第一卷(筑摩書房)

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