33話 第四段 コックリの原因を論ず 第三三節
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今、コックリの回転も、もとよりこの理に基づくものにして、これを試むる人は大抵みな、あらかじめコックリの回転するを知り、またその回転の、人の問いに応答するを知るをもって、その思想、知らず識らず発現して手の上に動作を起こし、ただにその回転の結果を見るのみならず、その回転のよく人の問いに答えて、事実を告ぐるの結果あるを見るに至るなり。今ここに、さきごろ『やまと新聞』に掲載せる一項を引きて、その一例を示さん。曰く、
巣鴨におる勇公というもの、このほど王子に茶屋奉公して、於辰という女を女房にもらいしが、この節流行の狐狗狸を始め、勇公が、「もし、狐狗狸様、於辰もこれまで、よい人がありましたろう。あったなら足を上げて下さい」というと、その足が上がったので、於辰も負けぬ気で、「勇さんには、今でもなにかありましょう。あるならこっちの足を」というと、またそのとおりにしたのがもとで喧嘩をしだしたに、母は見かねて、「今のはじょうだんにしたのだ。狐狗狸様、じょうだんに違いないなら右へ回って下さい」というと、またまたそのとおりしたので、三人一度に大笑いとなりてすんだという。
これ、その心に思うところの意向に応じて筋動を生ぜしによる。