妖怪玄談

8話 第二段 コックリの仕方を論ず 第八節

874字 約2分 2010年9月15日 公開

読み方を変える
字の大きさ
行の間隔
1行の長さ
書体
配色
組み方

 また、常州土浦町、五頭氏の報知によれば、「盆の裏へ狐狗狸の三字を指頭にて書き、それに風呂敷ようのものを掛け、これに燧火(ひうち)をいたす、云云(うんぬん)」とあり。信州高井郡、湯本氏の報知によれば、「竹の長さ各一尺五寸なるものを取り、その(ふし)をそろえ、また()を一尺五寸に切り、前三本の竹を下より一尺ぐらいの所を結ぶ、云云」とあり。また、ある無名氏よりの報知によるに、「大阪辺りにて用うるものは、竹の長さ各一尺五寸にて、左よりの麻縄をもってこれを縛し、(中略)竹の足を『おコックリ様、おコックリ様』と三べん唱えながら摩するときは、種々奇怪なることを呈する由、云云」とあり。また、肥後(ひご)国益城郡、柴垣氏の報知によるに、やや以上の仕方と異なるところあれば、左に掲ぐ。

(前略)女竹(めだけ)三本を節込みにて鯨尺(くじらじゃく)一尺四寸四分にきり、これを上より全長の十分の三、下より十分の七の所にて苧紐(おひも)にて結ぶ。その紐の長さも一尺四寸四分なり。しかして、この三本竹を()字形となし、その上に盆を伏せ、また茶碗に水と酒とを盛り、これを二本の竹の下に置き、三人のものはおのおの三本の指にて盆の上をおさえ、またほかに一人ありて、その傍らにひざまずき、崇敬の状を呈し、「コックリ様、御たずね申したきことあれば、なにとぞ御出で下され」としきりに言うこと二十分ないし三十分にして、たちまち三人の手辺りに力を生じ、そのきたりしを覚う。そのときに至り、例えば「甲ならば右の竹をあげよ、乙ならば左の竹をあげよ」と言えば、従って応ず。かくのごとくにして過去、未来のことを問うも、その応答、たいてい適中せざるはなし。また、コックリ様は女子を好むなどと申して、三人のものも一人の崇敬者も、ともに童女を用うるをよしという。

 そのほか、肥前(ひぜん)西彼杵(にしそのぎ)郡高島村、吉本氏より報知せられたる仕方は、前述のものと別に異なることなし。ただ少々他の国にてなすところと異なるは、左の一点なり。

(前略)コックリに向かって問答をなす前に、その座に居合わす人々の中において、「(なんじ)はいずれの人を好むや」とたずね、その好める人の指を風呂敷の上に加うるを要す、云云(うんぬん)

目次に戻る

目次