町中の月

永井 荷風 完結 全1話 2,546字 約5分 2010年1月6日 更新

灯火のつきはじめるころ、銀座尾張町の四辻で電車を降ると、夕方の澄みわたつた空は、真直な広い道路に遮られるものがないので、時々まんまるな月が見渡す建物の上に、少し黄ばんだ色をして、大きく浮んでゐるのを見ることがある。 時間と季節とによつて、月は低く三越の建物の横手に見えることもある…
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底本: 日本の名随筆58 月(作品社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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