冬の女

横光 利一 完結 全1話 832字 約2分 2001年12月11日 更新

女が一人籬を越してぼんやりと隣家の庭を眺めてゐる。庭には数輪の寒菊が地の上を這ひながら乱れてゐた。掃き寄せられた朽葉の下からは煙が空に昇つてゐる。 「何を考へていらつしやるんです。」と彼女に一言訊ねてみるが良い。 彼女は袖口を胸に重ねて、 「秋の歌。」 もし彼女がそのやうに答へた…
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初出 — 「改造」1924(大正13)年12月1日発行、第6巻第12号

底本: 定本横光利一全集 第二巻(河出書房新社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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