妖氛録

中島 敦 完結 全1話 4,981字 約10分 2014年3月28日 更新

口数の寡い、極く控え目勝ちな女であった。美人には違いないが、動きの少い、木偶の様な美しさは、時に阿呆に近く見えることがある。この女は、自分故に惹起される周囲の様々な出来事に、驚きの眼を瞠っているように見えた。それらが、自分の為に惹起されたのだということに、一向気付かぬようにも思わ…
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初出 — 「中島敦全集 第四巻」文治堂書店、1959(昭和34)年6月刊

底本: 中島敦全集3(ちくま文庫、筑摩書房) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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