ファラデーの伝 電気学の泰斗

46話 前編 生涯 四六 訪問と招待

605字 約1分 2006年12月24日 公開

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 時々、訪問者があるので困った。ある朝、若い人が来て、新研究をお話し致したいと、さも大発見をしたようにいうので、ファラデーは面会して、話をきいた。やがて書棚にあるリーの叢書(そうしょ)の一冊をとって、

「君の発見はこの本に出てはいないか。調べたのかね。」

「いや、まだです。」

 ファラデーは(ページ)をくって、

「これは四十年も前に判っている事ではないか。このようなことで、私の時間をつぶさないようにしてくれ給え。」

 しかし、誰か新しい発見でもすると、ファラデーは人を招いて、これを見せたものだ。発見の喜びを他人に分つというつもりである。キルヒホッフがスペクトル分析法を発見したときにも、ファラデーはいろいろな人に実験して見せた。ブルデット・クート男爵夫人に出した手紙には、

五月十七日、金曜日、

 拝啓明日四時にマックス・ミュラー氏の講演すみし後、サー・ヘンリー・ホーランドに近頃ミューニッヒより到着せる器械をもって、ブンゼンおよびキルヒホッフ両氏の発見したるスペクトルの分析を御目にかくるはずに相なりおり候。バルロー君も来会せらるべく、氏よりして貴男爵夫人もその時刻を知りたき御思召の由承わり申候。もし学究の仕事と生活とを御了知遊ばされたき御思召に有之、かつ実験は小生室にて御覧に入るるため、狭き階段を上り給うの労を御厭い無之候わば、是非御来臨願い度と存候。誠に実験は理解力のある以外の者には興味無之ものに御座候。以上。

エム、ファラデー

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