ファラデーの伝 電気学の泰斗

52話 前編 生涯 五二 狐狗狸の研究

443字 約1分 2006年12月24日 公開

読み方を変える
字の大きさ
行の間隔
1行の長さ
書体
配色
組み方

 一八五三年には、ファラデーは妙な事に(かか)り合って、狐狗狸(こくり)の研究をし、七月二日の雑誌アセニウムにその結果を公にした。

 狐狗狸では、数人が手を机の上に載せていると、机が自ら動き出すのだ(いわゆる Table-turning)。しかしファラデーは机と手との間にある廻転する器械を入れて、誰れなりと手に力を加えて机を動さんとすると、すぐこの器械に感ずるようにした。これを入れてから、机は動かなくなった

 ファラデーのこの器械は今日も残っている。この顛末がタイムスの紙上にも出たが、大分反対論があり、女詩人のブラウニング等も反対者の一人であった。その頃ホームという有名な男の巫子(みこ)があったが、ファラデーは面会を断わった。理由は、時間つぶしだというのであった。

 ファラデーの(ふう)は、推理でやるよりは直覚するという方であって、むしろ科学的よりは芸術的であった。しかしテニズンとか、ブラウニング等とは交際もしなかったので、この点では同じ科学者でも、ダーウィンやハックスレー等とは、大いに趣きを異にしていた。

目次に戻る

目次