ファラデーの伝 電気学の泰斗

73話 後編 研究 一六 光と電磁気との関係

802字 約2分 2006年12月24日 公開

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 この前、十年間の研究に際して、ファラデーの心を絶えず指導して来たのは、自然界の種々の力は互に関係ありということであった。その一つとして電磁気と光との間に何にか関係があるという予想は、ファラデーが五年間休養している間に、段々と円熟して来た。

 ファラデーは健康が回復すると、一八四五年には再び研究にかかり、八月三十日から電磁気と光との関係につきての実験をやり始めた。

 まず電気分解をなしつつある液体の内に偏光を通して見たのであるが、この際、いかなる作用が起るかを予期しておったかは明かでない。ただ手帳には、

「長さ二十四インチ、幅一インチ、深さ一インチ半のガラス函を取り、この内に電解質の液体を入れ、電気分解をなしつつある間に、種々の条件の下に偏光を通じて試験をした。」

と書いてあるのみである。

 電極には白金を使い、液体には硫酸ソーダを用いたが、結果は出て来なかった。そこで、液体をいろいろと変えて、十日間実験をつづけた。その間に使ったのは蒸溜水、砂糖の溶液、稀硫酸、硫酸銅等であった。それに電流も、偏光の進む方向に通したり、これに直角に通したり、なおこの電流も、直流を用いたり、交流を用いたりしたが、それにも関わらず少しも結果が出なかった

 そこで実験の方法を変えて、固体の絶縁物をとり、静電気の作用の下に置いて、この内を通る光に何にか変化が起るかと調べ出した。

 最初にやったのは、四角なガラスの向い合った両面に金属の薄片を貼りつけ、発電機の電極につなぐと、ガラスの内部を通る偏光に、何にか変化が起るかと調べたのであるが、やはり変化は見えなかった

 それからガラスの代りに、水晶、氷洲石(アイスランド・スパー)、重ガラスを用い、またタルペンチン、空気等も用いて見、なお偏光も電気力の方向に送ったり、これに直角に送ったりした。さらに静電気のみならず、電流にして速い交流も使っても見た。しかし、いずれの場合にも作用は少しも無かった

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