幸福の彼方

林 芙美子 完結 全1話 8,962字 約18分 2005年8月22日 更新

一 西陽の射してゐる洗濯屋の狭い二階で、絹子ははじめて信一に逢つた。 十二月にはいつてから、珍らしく火鉢もいらないやうな暖かい日であつた。信一は始終ハンカチで額を拭いてゐた。 絹子は時々そつと信一の表情を眺めてゐる。 長らくの病院生活で、色は白かつたけれども少しもくつたくのないや…
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底本: 林芙美子全集 第十五巻(文泉堂出版) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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