2話 (二)第二話
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あるとき、おとうさんが豚を屠殺すところを、その子どもたちが見ました。やがて、おひるすぎになって、子どもたちが遊戯をしたくなると、ひとりが、もうひとりの小さい子どもに、
「おまえ、豚におなり。ぼくは、ぶたをつぶす人になる」と言って、抜き身の小刀を手にとるなり、弟の咽喉を、ぐさりと突きました。
おかあさんは、上のおへやで、赤ちゃんをたらいに入れて、お湯をつかわせていましたが、その子どものけたたましい声をききつけて、すぐかけおりてきました。そして、このできごとを見ると、子どもののどから小刀を抜き取るが早いか、腹たちまぎれに、それを、豚のつぶしてであったもうひとりの子の心臓へ突きたてたものです。
それから、たらいのなかの子どもはどうしているかと思って、その足でおへやへかけつけてみましたら、赤ちゃんは、そのあいだに、お湯のなかでおぼれ死んでいました。
これが原因で、妻は心配が嵩じて、やぶれかぶれになり、めしつかいの者たちがいろいろなぐさめてくれるのも耳に入らず、首をくくってしまいました。
夫がはたけからかえってきました。そして、このありさまをのこらず見ると、すっかり陰気になって、それから間もなく、この人も死んでしまいました。