鉄人Q

17話 七つ道具

1,374字 約3分 2017年3月16日 公開

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 B・Dバッジは、団員の胸につけている目じるしで、まるいしんちゅうに銀メッキをして、少年探偵という英語のかしら字のBとDをくみあわせて、うきぼりにしたものです。

 これは少年探偵団の七つ道具の一つですが、ついでに、七つ道具とはなにかということを、書いておきましょう。

1、B・Dバッジ

2、万年筆がたの懐中電灯

3、磁石(方角を知るためです。)

4、よびこの笛

5、()のついた拡大鏡(虫めがねです。指紋など、小さいものを見るときに使います。)

6、小型望遠鏡(双眼鏡でもいいのですが、片方の目だけで見る、ポケットにはいるような、小さい望遠鏡で、とても便利にできています。)

7、手帳と鉛筆

 このほかに、絹糸をたくさんよりあわせて作った、なわばしごがあります。

 三十センチごとに、大きなむすび玉がこしらえてあって、それに足をかけて、のぼったり、おりたりするのです。

 しかし、これは小林団長だけが持っていて、ふつうの団員は持たないことになっています。いりようのときは、小林団長がかしてくれるのです。

 このなわばしごは、どこにも売っていませんし、小学生の団員にはあぶないので、持たせないのです。

 北見少年は、少年探偵団にこれからはいるのですから、なにも知りませんので、中井少年が七つ道具のことを、教えてやりました。すると、北見少年がふしぎそうにたずねるのです。

「B・Dバッジが、どうして七つ道具なの? これ何に使うの?」

 中井少年は、てのひらにのせた二十個ほどのB・Dバッジをジャラジャラいわせながら、それに答えました。

「いろんな使いみちがあるんだよ。ぼくたちが、悪者に、どっかへ連れられていくことがあるとするね。そのときは、向こうのうちに近づいた時、歩きながら、このバッジを一つずつ、そっと道へ落としていくんだよ。そうすれば、これを少年探偵団員が見れば、ぼくたちが、あぶないめにあっていることがわかるし、バッジのあとをつけてくれば、連れこまれた場所が、わかるというわけだよ。それから、悪者が、追っかけてきたら、このバッジを投げつけて、たたかうこともできるし、どこかへとじこめられたとき、手帳の紙をちぎって、手紙を書き、このバッジを包みこんで、おもしにして、へいの外へ投げて、助けをもとめることもできる。ぼくはいま、それをやろうとしているんだよ。」

「ああ、そうか、それで、手帳の紙に、あんな手紙を書いたんだね。」

 北見君は、やっと、そのわけがわかりました。

「この紙だけを、高いへいの外へ、投げるのはむずかしいだろう。だから、おもしに、B・Dバッジを包みこむんだよ。へいの外は道路にちがいないから、だれかが拾うよ。それがおとなだったら、B・Dバッジで、ぼくたちが少年探偵団員だとわかるし、子どもだったら、B・Dバッジがもらえるというので、きっと電車に乗って、とどけてくれるよ。」

 そう説明してから、中井君は、開いた窓に近づくと、手帳の紙でB・Dバッジをかたく包み、いきおいこめて、鉄ごうしのあいだから、へいの外へ投げました。いまは夜ですから、だれも気がつかないかもしれませんが、あすになったら、きっとだれかが、拾ってくれるにちがいないのです。

 それをたのしみに、ふたりは一つのベッドにならんで横になり、しばらく小声で話していましたが、いつかぐっすりとねいってしまいました。

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