河鹿

尾崎 士郎 完結 全1話 3,806字 約8分 2020年2月5日 更新

川ぞいの温泉宿の離室に泊っている緒方新樹夫妻はすっかり疲れてしまった。彼等はお互いの生活の中から吸いとるかぎりのものを吸いとってしまっていた。愛することにも、憎むことにも彼等にとっては最早何の新しさも残っていなかった。彼等は全く同じ二つの陥穽の中に陥っているようなものだった。互い…
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初出 — 「新潮」1927(昭和2)年9月

底本: 尾崎士郎短篇集(岩波文庫、岩波書店) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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