閑山

坂口 安吾 完結 全1話 6,918字 約14分 2006年1月23日 更新

昔、越後之国魚沼の僻地に、閑山寺の六袋和尚といつて近隣に徳望高い老僧があつた。 初冬の深更のこと、雪明りを愛づるまま写経に時を忘れてゐると、窓外から毛の生えた手を差しのべて顔をなでるものがあつた。和尚は朱筆に持ちかへて、その掌に花の字を書きつけ、あとは余念もなく再び写経に没頭した…
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初出 — 「文体 第一巻第二号」1938(昭和13)年12月1日

底本: 坂口安吾全集 02(筑摩書房) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

この作品には別の底本もあります — 桜の森の満開の下(講談社文芸文庫、講談社)

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