炭坑長屋物語

1話 北海道の樺太

226字 約1分 2016年4月17日 公開

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「北海道のカラフト」

みんな、そこの長屋をそう呼んでいた、

谷間に並べ建てられたカラフト長屋、一日中ろくすっぽ陽があたらず、

どっちり雪の積んでいる屋根から、

煙突が線香を並べたように突き出ていた、

俺は時々自分の入口を間違い、他家(よそ)の戸口を開けた、

屋根の煙突の何本目、そいつを数えて這入(はい)るのが一番完全であった

「来年の四月頃になれば陽があたりますよ」

古くから此処の長屋に住んでいる工夫の妻がそう言い俺達に聞かしてくれた。

来年の四月、

その四月がとても待ち遠しかった。

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