山姑の怪

田中 貢太郎 完結 全1話 4,084字 約8分 2003年8月16日 更新

甚九郎は店に坐っていた。この麹町の裏店に住む独身者は、近郷近在へ出て小間物の行商をやるのが本職で、疲労れた時とか天気の悪い日とかでないと店の戸は開けなかった。 それは春の夕方であった。別に客もないので甚九郎は煙管をくわえたなりで、うとうととしていると何か重くるしい物音がした。店の…
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底本: 日本の怪談(二)(河出文庫、河出書房新社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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