怪人と少年探偵

22話 マンホールから

762字 約2分 2016年6月30日 公開

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 お話かわって、こちらは、へいの外のマンホールのそばです。

 そこには、ふたりのおまわりさんが、しゃがんで、見はりばんをしていました。もし、怪人がここからにげようとしたら、つかまえるためです。

「おい、マンホールのふたが動いたようだぜ」

 ひとりのおまわりさんが、ささやくようにいいました。

「あっ、そうだ。動いている。あいつは、ここからにげるつもりだなっ」

 ふたりのおまわりさんは、マンホールのふたが開いて、怪人が頭を出したら、すぐに、とっつかまえてやろうと、身がまえをしました。鉄のふたは、ジリッ、ジリッと動いて、すきまがだんだん大きくなっていきます。

 そのすきまから、声がきこえてきました。

「だれかいませんか。てつだってください、ひとりでは重いですよ」

 なんだかへんです。怪人ならば、おまわりさんに、てつだってくれなんて、いうはずはありません。

 ふたりは、鉄のふたに手をかけて、横にずらしました。そして、中をのぞくようにして、どなりました。

「だれだっ、そこにいるのは」すると、中から、

「ぼくだよ。ぼくだよ」

といって、ぬっと、顔を出したのを見ると、その頭には、おまわりさんのぼうしをかぶっていました。怪人ではなくて、なかまのおまわりさんだったのです。

 やがて、ふたをぜんぶ開いて、おまわりさんが、はいだしてきました。

「怪人は、いま、このむこうの地下道で、つかまりました。もう、だいじょうぶです。ぼくは中村警部さんの用事で、ちょっと、そこまで出かけます」

 そういって、いきなり、かけだしていきました。

「つかまったら、もう見はりにもおよばないな」

「いや、いちど、つかまっても、またにげだすことだってある。やっぱり、ゆだんをしないで、見はっていよう」

 ふたりのおまわりさんは、もとのように、そこに、しゃがんで見はりをつづけるのでした。

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