おばけの正体

99話 おばけの正体 第九九項 化け物屋敷の解釈

715字 約1分 2016年6月5日 公開

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 四、五年前、『山形新聞』に「怪物の研究」と題して連日にわたれる記事の中に、化け物屋敷の解釈を掲げてあった。多少参考すべき点あれば、その一節を抜記しておく。

 化け物屋敷の原因は、多く地気の作用であると思う。火山の噴煙地などは別だが、その他どの土地を見ても、表面はなんの変わりもないようであるけれども、その土地によって地質の違うごとく、地気の上昇の加減も、時と所とによって大いに違う。地気というのは地層の下から立ちのぼる気体で、地層の下には気道縦横に通じて、二六時中やむときなく上昇している。この気中に含む悪気すなわちガスの種類によって、これに触れると知らず知らず逆上する。化け物屋敷に夭死(ようし)するものが続出したり、変死者が出たりするのはこれがためで、不吉の家には必ずこの悪気が満ちている。現に化け物屋敷といわれるような家に入ると、ただちに陰惨の気に打たれて、なんだか変な心持ちになる。あるいはいくぶん神経作用が手伝うかも知れないが、とにかく一種いうべからざる不快の気に触れることは事実であるが、これは単に地気の作用のみでなくして、家屋の構造により気流の悪い所から起こる作用もある。総じて人間に貧相、福相のあるごとく、土地、家屋にて吉凶がおのずからあらわれておる。凶相の家、すなわち光線のとおらない、気流の悪い、(かわや)と井戸の接近したような家に夭死する人が続出したり、逆上して変死する者の続出するのは当然で、この中に一人でも脳の加減が悪くて奇異な幻覚を見るものがあると、すぐその家は化け物屋敷になってしまう、云云(うんぬん)

 その他、種々論じてあれどもこれを略すが、この地気作用ばかりが化け物屋敷の原因ではないけれども、その一因となることは疑いない。

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