ノベリズ
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宮本 百合子 完結 全1話 8,307字 約17分 2002年1月2日 更新
静かな晩である。 空気は柔かく湿って、熟しかけた林檎からは甘酸い、酸性のかおりが快く、重く眠たい夜気の中に放散し、薄茶色の煙のような玉蜀黍の穂が澄みわたった宙に、ひっそりと影を泛べている。到るところに陰翳の錯綜があった。夏と秋の混り合った穏やかなどことなく淋しい景物が、今パット咲…
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初出 — 「中央公論」1919(大正8)年11月号
底本: 宮本百合子全集 第一巻(新日本出版社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。
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