触覚の世界

高村 光太郎 完結 全1話 4,161字 約8分 2007年1月14日 更新

私は彫刻家である。 多分そのせいであろうが、私にとって此世界は触覚である。触覚はいちばん幼稚な感覚だと言われているが、しかも其れだからいちばん根源的なものであると言える。彫刻はいちばん根源的な芸術である。 私の薬指の腹は、磨いた鏡面の凹凸を触知する。此は此頃偶然に気のついたことで…
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底本: 昭和文学全集第4巻(小学館) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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