2話 古事記 上つ卷 序并はせたり 〔天地のはじめ〕
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天地の初發の時、高天の原に成りませる神の名は、天の御中主の神一。次に高御産巣日の神。次に神産巣日の神二。この三柱の神は、みな獨神三に成りまして、身を隱したまひき四。
次に國稚く、浮かべる脂の如くして水母なす漂へる時に、葦牙五のごと萠え騰る物に因りて成りませる神の名は、宇摩志阿斯訶備比古遲の神六。次に天の常立の神七。この二柱の神もみな獨神に成りまして、身を隱したまひき。
上の件、五柱の神は別天つ神。
次に成りませる神の名は、國の常立の神。次に豐雲野の神八。この二柱の神も、獨神に成りまして、身を隱したまひき。次に成りませる神の名は、宇比地邇の神。次に妹須比智邇の神。次に角杙の神。次に妹活杙の神二柱。次に意富斗能地の神。次に妹大斗乃辨の神。次に於母陀琉の神。次に妹阿夜訶志古泥の神九。次に伊耶那岐の神。次に妹伊耶那美の神一〇。
上の件、國の常立の神より下、伊耶那美の神より前を、并はせて神世七代とまをす。上の二柱は、獨神おのもおのも一代とまをす。次に雙びます十神はおのもおのも二神を合はせて一代とまをす。
一 中心、中央の思想の神格表現。空間の表示であるから活動を傳えない。
二 以上二神、生成の思想の神格表現。事物の存在を「生む」ことによつて説明する日本神話にあつて原動力である。タカミは高大、カムは神祕神聖の意の形容語。この二神の活動は、多く傳えられる。
三 對立でない存在。
四 天地の間に溶合した。
五 葦の芽。十分に春になつたことを感じている。
六 葦牙の神格化。神名は男性である。
七 天の確立を意味する神名。
八 名義不明。以下神名によつて、土地の成立、動植物の出現、整備等を表現するらしい。
九 驚きを表現する神名。
一〇 以上二神、誘い出す意味の表現。