15話 赤貝姫と蛤貝姫
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――前の兎と鰐の話と共に、古代醫療の方法について語つている説話である。――
兎の言つた通り、ヤガミ姫は大勢の神に答えて「わたくしはあなたたちの言う事は聞きません。大國主の命と結婚しようと思います」と言いました。そこで大勢の神が怒つて、大國主の命を殺そうと相談して伯耆の國のテマの山本に行つて言いますには、「この山には赤い猪がいる。わたしたちが追い下すからお前が待ちうけて捕えろ。もしそうしないと、きつとお前を殺してしまう」と言つて、猪に似ている大きな石を火で燒いて轉がし落しました。そこで追い下して取ろうとする時に、その石に燒きつかれて死んでしまいました。そこで母の神が泣き悲しんで、天に上つて行つてカムムスビの神のもとに參りましたので、赤貝姫と蛤貝姫とを遣つて生き還らしめなさいました。それで赤貝姫が汁を搾り集め、蛤貝姫がこれを受けて母の乳汁として塗りましたから、りつぱな男になつて出歩くようになりました。