50話 古事記 中の卷 丹波の四女王
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――丹波地方に傳わつた説話が取りあげられたものであろう。――
天皇はまたその皇后サホ姫の申し上げたままに、ミチノウシの王の娘たちのヒバス姫の命・弟姫の命・ウタコリ姫の命・マトノ姫の命の四人をお召しになりました。しかるにヒバス姫の命・弟姫の命のお二方はお留めになりましたが、妹のお二方は醜かつたので、故郷に返し送られました。そこでマトノ姫が耻じて、「同じ姉妹の中で顏が醜いによつて返されることは、近所に聞えても耻ずかしい」と言つて、山城の國の相樂に行きました時に木の枝に懸かつて死のうとなさいました。そこで其處の名を懸木と言いましたのを今は相樂と言うのです。また弟國に行きました時に遂に峻しい淵に墮ちて死にました。そこでその地の名を墮國と言いましたが、今では弟國と言うのです。