秋雨の追憶

岡本 かの子 完結 全1話 1,165字 約2分 2000年7月11日 更新

○ 十月初めの小雨の日茸狩りに行つた。山に這入ると松茸の香がしめつた山氣に混つて鼻に泌みる。秋雨の山の靜けさ、松の葉から落ちる雨滴が雜木の葉を打つ幽かな音は、却つて山の靜寂を増す。水氣を一ぱいに含んだ青苔を草履で踏む毎に、くすぐつたい感觸が足の甲をつゝむ。咲きおくれた桔梗の紫が殊…
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底本: 日本の名随筆19 秋(作品社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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