3話 虫喰ひ算大会(3)
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97□
× □8
―――――――
□□□0
9□□
―――――――
175□0
(4)
3N
____
N)259
(5)
□□□
_______
□□□)□□□□□1
□□89
―――――――
75□
□□□
―――――
□81
□81
――――
0
“虫喰ひ算”大會 第十一會場
第十一會場でございます。どうぞ、ごゆるりとお樂しみ下さい。いや、皮肉をいつたつもりではございません。
ブーン先生の“虫喰ひ算集”は、なかなか數も多く、傑作も集つてをり、私は最も尊敬してをります。先生はこの虫喰ひ算を生徒に與へて、大へん樂しく算數を勉強させました。ところが生徒は、これが縁となり、虫喰ひ算がすつかり氣に入つてしまひ、遂には先生と一緒に問題を考へ出すまでになりました。さういふ生徒さんの作つた問題が、會場の方々に陳列されてゐます。
(1)
□)81□8
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
□0□
(2)
3□AB
× □B
――――――――
□6□□A
□□□□
――――――――
□□□□9
(3)
56N
N65
6N5
5N6
+ 65N
―――――
3240
(4)
□□□
______
□4□)9□□□5
□□□
――――――
2□□□
□□□□
――――――
2□□
□□□
――――
0
(5)
GQRDQN
× SLADE
―――――――――――――
GGGTAQN
DERLTT
EALDTT
ASRELN
LDTNNT
―――――――――――――
ARLDQSQAQN
“虫喰ひ算”大會 第十二會場
こちらが第十二會場です。どうぞお入り下さい。
およそ、この虫喰ひ算といはず、いはゆる數學パヅルと稱せられる趣味深い問題を古くから研究し、そして集録して早くから著書として世に紹介したのは、イギリス人エッチ イー デュウデニー氏でありませう。今日までに紹介された數學パヅルで、このデュウデニー氏の本の中にないものは殆ど稀だといつてよいくらゐであります。
(1)
7)3□5□6
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
□93□
(2)
□52□
× 3□
――――――――
□0□8
4□□2
――――――――
4□7□8
(3)
A3B
- 3BA
――――――
189
(4)
EAK
_____
AE)ETFG
EK
―――――
AF
AE
――――
KG
KG
―――
0
(5)
2□□□
________
1□5□)□□□□□□6
□7□□
――――――――
□□□□
5□□□
―――――――
□□□□
8□□□
――――――
□□□□□
□□□5□
――――――
0
“虫喰ひ算”大會 第十三會場
本會場から、問題の數は四つになりました。數は一つ減りましたが、問題の質は格段にむつかしくなりましたから、十分齒ごたへがあると思ひます。
齒ごたへがありすぎる! ああ、さうですか、さうですか。
でも、もう第十二階選士になられたのですから、これくらゐの齒ごたへがないとお氣の毒に存じまして、かくの通り……。
(1)
□□7□□
□10□9
□006
+ □9
―――――――――
2□□□□1
(2)
285
× □□
―――――――
1□2□
□□□
―――――――
□9□□
(3)
□7□
______
□□)17424
□□
――――――
□52
□□□
―――――
□□4
□□4
――――
0
(4)
PLPR
_______
QSV)TMBLRD
SBT
―――――――
RSL
QSV
――――――
VPR
SBT
―――――
LDDD
LBLD
―――――
LBM
“虫喰ひ算”大會 第十四會場
第十四會場はこちらです。いよいよ齒ごたへがございますよ。
(2)は、今までにない分數の問題です。慣れないものにぶつかると、ちよつと面喰ひます。面喰ふところが、なかなかいい氣分であります。さうは思はれませんか。
(3)も面白く、(4)の覆面算は、なかなか苦心のあとがあり、3と4と二つの數字がスフィンクスの目のやうに光つてゐるところに御注目……。
(1)
4□□
× □□
―――――――
19□□
3□0□
―――――――
□□0□□
(2)
□□□□
5――――― = 9
□□□
註:――
1から9までの九種の數字をはめこむこと(5と9とは既に使つてありますね)
(3)
□□□
______
□□□)□□□□5
742
――――――
□□□□
1113
―――――
□□□□
□□□□
――――
0
(4)
PXEP
________
AZH)AZJAJJM
AYG3
――――――――
AMXJ
AMMZ
―――――――
4XJ
MMJ
―――――
AYGM
AYGM
―――――
0
“虫喰ひ算”大會 第十五會場
ここが第十五會場です。遠い道路のちやうど半分に當ります。
(1)は小手調べ。(2)は快刀亂麻を斷つ――といふほどではないが、一度でばらばらと解けてしまひます。(3)は輕く貴下を樂しませてくれるでせう。(4)は相當骨が折れます。まづ三時間はかかりませう。二時間なら早い方です。半日かかつたとか、念入りな人は二日もかかつたと申します。(お解きになつた後で本書の第二十四頁をごらん下さい、失禮)
(1)
□7□
× □5
―――――――
□□9□
1□56
―――――――
16□□□
(2)
9)NNN
 ̄ ̄ ̄ ̄
N7
(3)
BTS
______
PQA)TSBTS
CQB
――――――
ASQT
ADQT
―――――
AQQS
AQQS
――――
0
(4)
□7□□□
_________
□□□)□□□□□□□□
□□□□
――――――――
□□□
□□□
―――――――
□□□□
□□□
――――――
□□□□
□□□□
―――――
0
“虫喰ひ算”大會 第十六會場
第十六會場はこちらです。さあさあお入りなされませ。第十五階選士の皆々さま。
(1)と(2)は輕くパスして、(3)は除數の十位をまづ解くことにし、(4)は左右對稱なるもの同志を掛けあはせてあるところが面白く、しかもその答たるや敢へて對稱でないところに……。
お喋りの虫がまた活氣づきました。困りましたね、引込みませう。
(1)
□0□
× □6
―――――――
5□2□
□□□6
―――――――
4□58□
(2)
3A)1B3A
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
B1
(3)
□□□
______
A□A)□□A□A
□□6
――――――
□□□
□□8
―――――
□□□
□□□
――――
0
(4)
ABCBA
× ABCBA
――――――――――――
ABCBA
BXZXB
CZGZC
BXZXB
ABCBA
――――――――――――
ANAPJLJXA
“虫喰ひ算”大會 第十七會場
ここは第十七會場です。
前の會場で、貴下は“第十六階選士にもなるとどうも問題が物足りなくてね”といはれた由。
それはどうもお氣の毒さま。前會場は、半道を越えたお疲れ直しのつもりで設計をして置きましたが、さやうにお元氣ならば、はいはいよろしうございます。次に用意いたしました四つの問題、どうぞ御滿喫を願ひます。但し時計の針が、明日の目盛へ進むやうなことにならぬとも限らず、目覺時計をかけてから取懸つていただきませうか。
(1)
□□E7
- NNN
―――――――
EEE
(2)
□□□□
________
142)123□□□□
□□□□
――――――――
□□□
□□□
――――――
100□
□□□
―――――
□□□
□□□
――――
0
(3)
NGDI
_______
TSD)WNITPA
TSD
―――――――
THTP
TWNN
――――――
PPNA
NADI
―――――
TPT
(4)
□□□
_______
□□□)□□□□84
□□□
―――――――
□□□
6□□
――――――
□3□
□□□
―――――
0
“虫喰ひ算”大會 第十八會場
お見受けしたところ、おん瞼がだいぶん腫れぽつたいですね。いや、どうも口が滑りました。
わが國に於いて“數學パヅル”研究の最も熱心なる仁は、大阪に居住される藤村幸三郎氏です。このパヅルの神樣は、古くからこのことに掛り、そしてそれに關する著書も斷然多く、私の記臆するところだけでも三四册あり、その上にこの數學パヅルを應用したゲームの考案もいろいろとあつて市販されてゐます。殊に「立體將棋」は傑作中の傑作で、木村名人を大いに呻らせたと申します。
(1)
9)□□□□□□
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
6) 3925□ 殘り4
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
□□□□ 殘り3
(2)
□□□ 2
――――― = ―
□□□□ 4
註:――
1から9までの九種の數字をはめこむこと(2と4とは既に使つてありますね)
(3)
IQR
_______
ACR)IDGDRR
ACR
―――――――
CQQR
SEQQ
―――――
UDSR
QQIR
――――
RID
(4)
□□7□
_________
□□□□)□□9□□□□□
□□□□9
―――――――――
9□□□□
□□9□□
―――――――
□□□□9
□□□□9
――――――
□9□□□
□□□□□
―――――
0
“虫喰ひ算”大會 第十九會場
數學パヅルは、なぜイギリスだけに盛んなのであるか、面白いことであります。私が序文のところに掲げた五册の文献洋書は悉くイギリスの刊行にかかります。
アメリカでは、あまりこんな辛氣くさいものを見かけません。尤もアメリカにも全然ないといふわけではなく、少しはあることはあるのですが、イギリスのやうにアカデミックな風格は備へてゐません。アメリカではそれより手品や實驗の方が、少年達に人氣があるやうです。
ああ、さうさう。こちらは第十九會場!
(1)
8)□□□□□
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
7) □□□□ 殘り7
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
772 殘り4
(2)
2 1
1―×4―=□
□ 5
(3)
AFBEC
________
ABC)ATTTAAT
ABC
――――――――
GFT
GCH
――――――
CAA
BDF
―――――
FEA
FAE
――――
CFT
CFT
―――
0
(4)
□□□□
________
□2□)□□2□9□□
□□□□
――――――――
□□□
□□□
―――――
□□□□
□□□0
―――――
□7□
□□□
―――
0
“虫喰ひ算”大會 第二十會場
古い日本の書物で、數學パヅルの載つてゐたものがあり、また昔、横濱の南京町で手に入れた中華民國の數學パヅルの本があり、共に大切にしてゐたのですが、先頃のさわぎでどこへ行つてしまつたか分らずになりました。甚だ遺憾であります。
おお、ここは第二十會場であります。この會場をパスされれば、全道程の三分の二を通過され、ゴルファなら、これからいよいよシングルへ進むわけです。おつと、おつと、胸をお張りになるのは、本會場の四問題をお解きになつてからの方が、ようございます。
(1)
□A□
______
□A□)□□□□□
□□□
――――――
□□BB
□□BA
―――――
□A□□
□□□□
――――
0
(2)
□□□□□
_________
□□□)□□□□□□□□
□□□
―――――――――
□□□
4□□
―――――
□□□
3□□
――――
□□□□
□4□□
――――
0
(3)
NINIO
___________
MARTIN)HARRINGTON
HMGIAN
―――――――――――
HAOIGT
HMGIAN
――――――――
MMITLON
LOGATI
―――――――
MMGGTN
(4)
ADHA
_______
ACC)ATEHBC
ACC
―――――――
GBH
ECB
―――――
TEB
TCA
――――
BAC
ACC
―――
SW
“虫喰ひ算”大會 第二十一會場
もう既に見えなければならぬ筈なんですが、一向見えませんが、どうしたものでありませうか。いいえその、名譽ある第二十階選士たちの姿が、いまだにどうもね。颱風で橋梁が流れたためでせうか、それとももしや途中原子爆彈に……。
序文のところで御紹介しましたバーナード先生は、アボッツホルム學校の助教諭であつたマスター オブ サイエンスです。
おお、漸く見えました。あなたがたは一體どうされたんですか。心配してをりましたよ。なに、ここはどこか? おや、そんなにふうふうですか。ここは第二十一會場ですけれど……。
(1)
□□7□□
× □7□
―――――――――
□0□7□
□□0□□
7□□0□
―――――――――
□□□□□□□
(2)
AM6
× MN
――――――
5FN
2DM
――――――
3F2N
(3)
□□□
_______
523)□□□667
□□□□
―――――――
□□□6
□□□□
―――――
□□□7
□□□□
――――
193
(4)
DCAM
________
AEQ)MBDNUQN
MDUE
――――――――
BQU
AEQ
―――――
QBDQ
QDCY
―――――
CNQN
CNQN
――――
0
“虫喰ひ算”大會 第二十二會場
こちらが、確かに第二十二會場であります。むつかしくなりましたつて。それはさうでせう。第二十階以上になりますと、うんと頑張つていただかねばなりません。呑氣に構へてゐますと、途中で化石になつてしまひますよ。といつて、あんまりむきになると、目が三角になつてしまつて、後で癒すのに骨が折れますよ。
しかしむつかしい問題にぶつかればぶつかるほど、虫喰ひ算のはかりしれない魅力が感ぜられます。さうではございませんか、第二十一階選士がた。
(1)
BAAB
× ABC
―――――――――
B□□□A
□□□□C
□□□□□
―――――――――
□□□□□□□
(2)
2□□□
96―――― = 100
□□□
註:――
1から9までの九種の數字をはめこむこと(9と6と2は既に使ひずみ)
(3)
□7□
______
□7)□□□7□
□□
――――――
7□7
□□□
――――
5□□
5□□
―――
0
(4)
RHUCU
________
HSH)HMHECUT
HSH
――――――――
MSE
USU
――――――
CCC
ISI
―――――
RCRU
RIRI
―――――
CAT
ISI
―――
RMC
“虫喰ひ算”大會 第二十三會場
例のデュウデニー先生ですが、この先生の有名な四つの著書の名を、ここにあげて置きませう。
第一は“カンタベリー パヅルと、その他の珍らしい問題”。次は“算術遊び”。この本は非常に有名で、日本の雜誌などに使はれた數學パヅルの種本であります。原名は Amusements in Mathematics です(もしもし、これは覆面算の問題ではありません。鉛筆をおなめになるに及びません)。第三は、 The World's Best Word Puzzles。それから第四は本書の序文に出してある“最新のパヅルとその解き方”です。
ここは第二十三會場の入口でございます。
(1)
ABCDE
× FBC
―――――――――
AEDFFB
GGFEFA
ABCDE
―――――――――
FHDEETJB
(2)
□ □
(□□+□―)=(□□―)
□ □
註:――
=の左側は奇數 1,3,5,7,9 を,=の右側は偶數 2,4,6,8 をはめこむこと
(3)
EMA
_____
MA)UEMA
MA
―――――
TM
AS
―――
EMA
EMA
―――
0
(4)
□□□□
_________
3□□4)□□□□□□□□
□□□96
―――――――――
□□□□
3□□□
――――――
□□□□□
□5□2
――――――
□□□□□
□□□1□
―――――
0
“虫喰ひ算”大會 第二十四會場
こちらは第二十四會場でございます。
虫喰ひ算で忘れてはならないブーン先生のことは前にちよつと申しましたが、この先生はダルウィチ大學の數學の主任の先生であります。
その出版元はミルズ アンド ブーン株式會社ですが、このブーンとブーン先生との關係は分つてゐません。
ブーン先生の名著“パヅル ペーパーズ イン アリスメチック”は本當に愛すべき書物でありますが、その卷頭に於ける例題の「解き方」の解説が間違つてゐるのは御愛嬌であります(その書第九頁)。
(1)
AB7
- 7BA
――――――
1AB
(2)
□□□□
× □□□
――――――――
9□□□
19□4□
26□□2
――――――――
□□□5□□□
(3)
□□□
_______
628)□□□270
□□□□
―――――――
□□□7
□□□□
―――――
□□□0
□□□
――――
482
(4)
TCCCAZX
__________
MSR)MSRTRABRC
MSR
――――――――――
TRAB
TZLC
――――――
STBR
TBZR
―――――
SMCC
SSBZ
――――
L
“虫喰ひ算”大會 第二十五會場