『春と修羅』補遺

9話 自由画検定委員

576字 約1分 2000年10月4日 公開

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どうだここはカムチャッカだな

家の柱ものきもみんなピンクに染めてある

渡り鳥はごみのやうにそらに舞ひあがるし

電線はごく大(だい)たんにとほってゐる

ひはいろの山をかけあるく子どもらよ

緑青の松も丘にはせる

こいつはもうほんもののグランド電柱で

碍子もごろごろ鳴ってるし

赤いぼやけた駒鳥もとまってゐる

月には地球照(アースシヤイン)があり

くゎくこうが飛び過ぎると

家のえんとつは黒いけむりをあげる

おいおいおいおい

とてもすてきなトンネルだぜ

けむって平和な群青の山から

いきなりガアッと線路がでてきて

まるで眼のまへまで一ぺんにひろがってくる

鳥もたくさん飛んでゐるし

野はらにはたんぽぽやれんげさうや

じゅうたんをしいたやうです

お月さまからアニリン色素がながれて

そらはへんにあかくなってゐる

黒い三つの岩頸は

もう日も暮れたのでさびしくめいめいの銹をはく

田圃の中には小松がいっぱいに生えて

黄いろな丁字の大街道を

黒いひとは髪をぱちゃぱちゃして大手をふってあるく

鳥ががあがあとんでゐるとき

またまっしろに雪がふってゐるとき

みんなはおもての氷の上にでて

遊戯をするのはだいすきです

鳥ががあがあとんでゐるとき

またまっしろに雪がふってゐるとき

青ざめたそらの夕がたは

みんなはいちれつ青ざめたうさぎうまにのり

きらきら金のばらのひかるのはらを

犬といっしょによこぎって行く

青ざめたそらの夕がたは

みんなはいちれつ青ざめたうさぎうまにのり

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