東洋学人を懐う

1話 新智識を要する時に旧思想の人

193字 約1分 2018年9月6日 公開

読み方を変える
字の大きさ
行の間隔
1行の長さ
書体
配色
組み方

 小野梓(おのあずさ)君は、我輩の最も大切な友人の一人であって、年齢よりいえば我輩の後輩であった。小野君は勇気勃々(ぼつぼつ)たる青年であって欧米の新智識を有し、我輩の如きも学問の上に於て君の教えを受けたことも(すく)なくなかった。当時政治の局に当りし人々は皆旧思想を有するもののみで、()かもその企つるところの事業はことごとく皆新智識を要する事業のみであった。小野君はこの間にありて吾人(ごじん)に偉大なる助力を与えたのである。

目次に戻る

目次