6話 第二の国民を作る理想
読み方を変える
字の大きさ
行の間隔
1行の長さ
書体
配色
読み上げの速さ
組み方
また小野君は自分が中心となって我輩等と学校を設立することとなった。これは政治法律の新智識を有し、自由独立の精神に富むところの第二の国民を作るためである。これよりさき帝国大学に在学しておった高田、天野諸氏は、当時橋場に住った梓君を休日に訪問し、我が国の時事を談論することを常としていた。この頃から小野君はこの連中を我輩に紹介して、彼等は年少なる書生であるが、将来必ず事を為すところの人物であり、また将来我輩のためにもなるから見知りおかれる様にとのことであった。その後梓君はこれらの連中と我輩とを結び付けて、ついに一の学校を経営することとなった。これが即ち早稲田大学の前身たる東京専門学校を起した動機の一つである。