40話 第四段 コックリの原因を論ず 第四〇節
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また、上田某氏の報知によるに、老人たちにて試むるよりは、少年輩にて試むる方、効験ありという。これまた、その理あり。少年輩は心身ともに強壮なるをもって、予期意向と不覚筋動を生じやすきものなり。老人はこれに反して、意力、知覚ともに衰えたるをもって、その心をある一方に集合するの力はなはだ弱し。かつ、年齢の長じたるものは実際の経験に富むをもって、前後の事情を酌量して猶予思考するの傾向あり。これに従って不覚筋動を生ずること難きなり。
世に棒寄せと称する怪術あり。その法、人をして両手に五尺ばかりの棒をとり、その中央を握り、これを垂れて、その自然の勢いに任ずるときは、棒の前端互いに相寄りて、ついに相合するに至る。これ、コックリと同一の道理に基づき、予期意向より生ずるものなり。ゆえに、コックリの作用を試みんと欲せば、棒寄せについて実験を施すも不可なることなし。余、かつて数人に命じて棒寄せを試みたるに、やはり婦人、子供のごとき、信仰心を起こしやすきものにその結果を現じ、知力に長じ虚心平気のものには、その効験を示さざることを知れり。