雨の玉川心中 01 太宰治との愛と死のノート

2話 四月三十日

265字 約1分 2017年6月19日 公開

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 まだ、ついこの間御逢いしたと思っていたのに、もう一カ月経ってしまうとは。初めの頃は御一緒に席についていても手持ち無沙汰で、先生のおタバコばかり喫(す)っていたせいか、大変に数を喫うようになってしまった。指先が黄色くなるのを気にしているけれども、かさねては敵(かな)わない。

 先生の性格から一番強く感じられるのは、優しさと、寂しさである。何故か知らない。

「なんじ断食するとき頭に油をぬり顔を洗え、苦しみは誰にだってあるのだ。ああ、断食は微笑と共に行え。せめてもう十年努力してから、そのときは真に怒れ。僕はまだ一つの創造さえしていないじゃないか」

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