五月より

7話 十一月

262字 約1分 2011年9月14日 公開

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 (つた)()ふ、(むかし)越山(ゑつざん)蜥蜴(とかげ)(みづ)()つて(へう)()く。(とき)(ふゆ)(はじめ)にして、(ゑんじゆ)(もず)(ほし)(さけ)んで(あられ)()ぶ。(くも)(くら)し、(くも)(くら)し、曠野(あらの)を《さまよ》ふ(かり)公子(こうし)が、(けもの)(てら)炬火(たいまつ)は、末枯(うらがれ)尾花(をばな)落葉(おちば)(べに)()ゆるにこそ。行暮(ゆきく)れて一夜(ひとよ)宿(やど)(うれ)しさや、(あは)(かし)()さへ(たま)()て、天井(てんじやう)(すゝ)(りう)(ごと)く、破衾(やれぶすま)鳳凰(ほうわう)(つばさ)なるべし。(ゆめ)()めて絳欄碧軒(かうらんへきけん)なし。芭蕉(ばせを)(ほね)(いはほ)(ごと)く、朝霜(あさしも)()ける(いけ)(おも)に、鴛鴦(ゑんあう)(ねむり)()(こまやか)なるのみ。戀々(れん/\)として、(ていくわい)し、(やうや)くにして(さと)(くだ)れば、屋根(やね)(ひさし)時雨(しぐれ)晴間(はれま)を、ちら/\と(ひる)(ひとも)(ちひさ)(むし)あり、小橋(こばし)稚子等(うなゐら)(うた)ふを()け。(おほわた)()い、()い、まゝ()はしよ。

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