本文へ移動

ノベリズ

書いて、読む

作品 新着 人気 タグ 作家 青空文庫 探す 棚 書く

「椿」序

田山 花袋 全1話 309字 2022年5月13日

この画面をそのまま印刷(または PDF として保存)できます。 作品のページへ戻る

1. 「椿」序

最近五六年間に書いた小品を集めて『椿』といふのは、別に意味のあることではない。丁度それを輯めようとする頃、椿の花が殊に私の眼に附いたからである。私は丁度其時友人のフランスに立つのを送つて、箱根まで行つた。国府津、酒勾、鎌倉の海岸には、葉の緑に、花の紅い野椿が到る処に咲いてゐて、それが降りしきる雨の中にはつきり見えてゐた。私は南国の春を想像した。椿油の出来る島々のことなどを思つた。それに、私の庭にも、椿の花が多い。父親の遺愛のものなどもある。私が書斎で筆を執つてゐると、をり/\花の落ちる音が重く聞えたりする。春の花の中で椿の花の印象が私にはかなりに多い。で、『椿』といふ名を此輯に得ることになつた。

大正二年四月著者

「椿」序 — 田山 花袋 — https://noveliz.cc/n/2b0f3wa3g5

ノベリズ

作品の一覧 新しい話 よく読まれている 5分で読める 教科書で読んだ作品 タグから探す 書き手の一覧 青空文庫を読む 更新のフィード 書く人へ このサイトについて 決まりごと 扱うものについて 運営への連絡

書いて、読む。読みやすさを最優先に作っています。