美しき死の岸に

原 民喜 完結 全2話 9,745字 約19分 2002年1月1日 更新

何かうっとりさせるような生温かい底に不思議に冷気を含んだ空気が、彼の頬に触れては動いてゆくようだった。図書館の窓からこちらへ流れてくる気流なのだが、凝と頬をその風にあてていると、魂は魅せられたように彼は何を考えるともなく思い耽っているのだった。一秒、一秒の静かな光線の足どりがここ…
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底本: 夏の花・心願の国(新潮文庫、新潮社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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