風蕭々

尾崎 士郎 完結 全9話 2.9万字 約57分 2022年10月18日 更新

月のかげが低い屋根に落ちている。場所は博多、中洲の水茶屋、常盤館の裏門の前で俥のとまる音がした。――入ってきたのは洗いざらしの白い薩摩絣を着ながしにした長身肥大の杉山茂丸である。杉山は、右が納屋、左が薪の束の堆高く積んである狭い通路を大股に歩いて植込のふかい中庭の前へ出た。 壊れ…
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初出 — 「早稻田大學」文藝春秋新社、1953(昭和28)年10月20日

底本: 早稲田大学(岩波現代文庫、岩波書店) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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