ファラデーの伝 電気学の泰斗

75話 後編 研究 一八 磁性の研究

663字 約1分 2006年12月24日 公開

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 ファラデーのこの論文がまだ発表されない前に、ファラデーはまた別の発見をした。すなわち十一月四日に、先頃他から借りて来た強い磁石で、前に結果の出なかった実験を繰り返してやって見て、好成績を得た。それは普通に磁性が無いと思われている種々の物体も、みな磁性があることを発見したのである。これも第一番に、前の重ガラスで発見したので、ファラデーの手帳に書いてあるのにも、

「鉛の硼硅酸塩、すなわち重ガラスの棒を取った。これは前の磁気の光に対する作用を研究するときに用いたもので、長さ二インチ、幅と厚さは各々〇・五インチである。これを磁極の間に吊して、振動の静まるのを待つ。そこで電池をつないで磁気を生じさせたから、ガラスの棒はすぐに動いて」は底本では「すぐに動いて」]廻り出し、磁気指力線に直角の位置に来た。少々振動させても、ここで静止する。手でこの位置より動しても、すぐに元の所にもどる。数回やっても、その通りであった。」

 これから種々の物体について、やって見た。結晶体、粉、液体、酸、油。次には(ろう)、オリーブ油、木、牛肉(新鮮のものおよび乾いたもの)、血。いずれもみな反磁性を示し、ことにビスマスは反磁性を強く示した。

 これらの研究の結果は一八四五年十二月に発表し、例の「電気の実験研究」第二十篇におさめてある。同第二十一篇はこの研究の続篇で、翌年一月に発表した。これは鉄の化合物に対する研究で、固体でも液体でも、塩基の部分に鉄をもつ物はみな磁性を示し、絵具のプルシァン・ブリューや緑色のガラス瓶に至るまでも磁性を示すことが出ている。

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