ファラデーの伝 電気学の泰斗

76話 後編 研究 一九 光の電磁気説

503字 約1分 2006年12月24日 公開

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 一八四六年に王立協会でファラデーのやった金曜の夜の講演に、「光、熱等、輻射のエネルギーとして空間を伝わる振動は、エーテルの振動ではなくて、物質間にある指力線の振動である」という句があった。この考は友人フィリップスに送った手紙にくわしく書いてあり、またこの手紙を、「光の振動についての考察」という題で、同年五月のフィロソフィカル・マガジンにも出した。

 これが、ファラデーの書いたものの中で、最も想像的なものとして著名なので少しも実験の事は書いてない恐らくこの時こそ理論家としてファラデーが最高潮に達した時であろう

 上の物質間にある指力線の振動というのが、今日の言葉でいうと、電子の間にある電磁気指力線の振動の事で、これが光、熱等の輻射に外ならずというのである。この考こそ後になって、マックスウェルが理論的に完成し、ヘルツが実験上に確かめた光の電磁気説である。マックスウェルの書いた物の中にも、

「ファラデーによりて提出された光の電磁気説は、余がこの論文に(くわ)しく述ぶるものと、実質において同じである。ただ一八四六年の頃には、電磁波の伝わる速度を計算する材料の存在しなかった事が、今日との相違である」と。

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