或る女

林 芙美子 完結 全2話 9,855字 約20分 2005年8月20日 更新

何時ものやうに歸つて來ると、跫音をしのばせて梯子段へ足さぐりで行つたが、梯子段の下の暗がりで、良人の堂助が矢庭に懷中電燈をとぼした。たか子はぎくつとして小さい叫び聲を擧げた。 「何さ‥‥まだ、あなた、起きていらつしたの?」 「寢てればよかつたのかい?」 「厭アな方ねえ、一寸遲くな…
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底本: 氷河(竹村書房) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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