ノベリズ
海潮音
122字 約1分 1999年7月1日 公開
嗚呼(ああ)、物古(ものふ)りし鳶色(とびいろ)の「地(ち)」の微笑(ほほゑみ)の大(おほ)きやかに、
親しくもあるか、今朝(けさ)の秋、偃曝(ひなたぼこり)に其骨(そのほね)を
延(のば)し横(よこた)へ、膝節(ひざぶし)も、足も、つきいでて、漣(さざなみ)の
悦(よろこ)び勇み、小躍(こをどり)に越ゆるがまゝに浸(ひ)たりつゝ、
さて欹(そばた)つる耳もとの、さゞれの床(とこ)の海雲雀(うみひばり)、
和毛(にこげ)の胸の白妙(しろたへ)に囀(てん)ずる声のあはれなる。
目次に戻る
この話の道を写す