百物語

2話 百物語(2)

257字 約1分 2000年8月9日 公開

読み方を変える
字の大きさ
行の間隔
1行の長さ
書体
配色
組み方

     *     *     *

 二三日立ってから蔀君に逢ったので、「あれからどうしました」と僕が聞いたら、蔀君がこう云った。「あなたのお帰りになったのは、丁度好い引上時でしたよ。暫く談(はなし)を聞いているうちに、飾磨屋さんがいなくなったので聞いて見ると、太郎を連れて二階へ上がって、蚊屋(かや)を吊(つ)らせて寐たと云うじゃありませんか。失礼な事をしても構わないと云うような人ではないのですが、無頓着(むとんじゃく)なので、そんな事をもするのですね」と云った。

 傍観者と云うものは、やはり多少人を馬鹿にしているに極(き)まっていはしないかと僕は思った。

目次に戻る

感想を書く

目次