『春と修羅』

14話 春と修羅 風景

178字 約1分 2000年10月4日 公開

読み方を変える
字の大きさ
行の間隔
1行の長さ
書体
配色
組み方

雲はたよりないカルボン酸

さくらは咲いて日にひかり

また風が来てくさを吹けば

截られたたらの木もふるふ

 さつきはすなつちに廐肥(きうひ)をまぶし

   (いま青ガラスの模型の底になつてゐる)

ひばりのダムダム弾(だん)がいきなりそらに飛びだせば

  風は青い喪神をふき

  黄金の草 ゆするゆする

    雲はたよりないカルボン酸

    さくらが日に光るのはゐなか風(ふう)だ

(一九二二、五、一二)

目次に戻る

目次