『春と修羅』

16話 春と修羅 休息

333字 約1分 2000年10月4日 公開

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そのきらびやかな空間の

上部にはきんぽうげが咲き

 (上等の butter-cup《バツタカツプ》 ですが

  牛酪(バター)よりは硫黄と蜜とです)

下にはつめくさや芹がある

ぶりき細工のとんぼが飛び

雨はぱちぱち鳴つてゐる

 (よしきりはなく なく

  それにぐみの木だつてあるのだ)

からだを草に投げだせば

雲には白いとこも黒いとこもあつて

みんなぎらぎら湧いてゐる

帽子をとつて投げつければ黒いきのこしやつぽ

ふんぞりかへればあたまはどての向ふに行く

あくびをすれば

そらにも悪魔がでて来てひかる

 このかれくさはやはらかだ

 もう極上のクツシヨンだ

雲はみんなむしられて

青ぞらは巨きな網の目になつた

それが底びかりする鉱物板だ

 よしきりはひつきりなしにやり

 ひでりはパチパチ降つてくる

(一九二二、五、一四)

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