恋を恋する人

国木田 独歩 完結 全3話 8,196字 約16分 1999年5月16日 更新

秋の初の空は一片の雲もなく晴て、佳い景色である。青年二人は日光の直射を松の大木の蔭によけて、山芝の上に寝転んで、一人は遠く相模灘を眺め、一人は読書している。場所は伊豆と相模の国境にある某温泉である。 渓流の音が遠く聞ゆるけれど、二人の耳には入らない。甲の心は書中に奪われ、乙は何事…
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初出 — 「中央公論」1907(明治40)年1月

底本: 日本の短編小説[明治・大正](潮文庫、潮出版社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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