カインの末裔

有島 武郎 完結 全6話 3.2万字 約1時間4分 2000年3月4日 更新

(一) 長い影を地にひいて、痩馬の手綱を取りながら、彼れは黙りこくって歩いた。大きな汚い風呂敷包と一緒に、章魚のように頭ばかり大きい赤坊をおぶった彼れの妻は、少し跛脚をひきながら三、四間も離れてその跡からとぼとぼとついて行った。 北海道の冬は空まで逼っていた。蝦夷富士といわれるマ…
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初出 — 「新小説」1917(大正6)年7月

底本: カインの末裔 クララの出家(岩波文庫、岩波書店) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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