7話 七
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「郵便!」
「はい、」と柳の下で、洗髪のお品は、手足の真黒な配達夫が、突当るように目の前に踏留まって棒立になって喚いたのに、驚いた顔をした。
「更科お柳さん、」
「手前どもでございます。」
お品は受取って、青い状袋の上書をじっと見ながら、片手を垂れて前垂のさきを抓んで上げつつ、素足に穿いた黒緒の下駄を揃えて立ってたが、一寸飜して、裏の名を読むと、顔の色が動いて、横目に框をすかして、片頬に笑を含んで、堪らないといったような声で、
「柳ちゃん、来たよ!」というが疾いか、横ざまに駆けて入る、柳腰、下駄が脱げて、足の裏が美しい。