三尺角

7話

259字 約1分 2016年7月1日 公開

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「郵便!」

「はい、」と柳の下で、洗髪(あらいがみ)のお品は、手足の真黒(まっくろ)な配達夫が、突当(つきあた)るように目の前に踏留(ふみと)まって棒立(ぼうだち)になって(わめ)いたのに、驚いた顔をした。

更科(さらしな)(りゅう)さん、」

「手前どもでございます。」

 お品は受取って、青い状袋の上書(うわがき)をじっと見ながら、片手を垂れて前垂(まえだれ)のさきを(つま)んで上げつつ、素足に穿()いた黒緒(くろお)の下駄を揃えて立ってたが、一寸(ちょっと)(かえ)して、裏の名を読むと、顔の色が動いて、横目に(かまち)をすかして、片頬(かたほ)(えみ)を含んで、(たま)らないといったような声で、

「柳ちゃん、来たよ!」というが(はや)いか、横ざまに駆けて()る、柳腰(やなぎごし)、下駄が脱げて、足の裏が美しい。

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