46話 三太郎の日記 5
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余を包圍する不思議なる力よ。余は汝を神と呼ぶ可きか惡魔と呼ぶ可きか、攝理と呼ぶ可きか運命と呼ぶ可きか、自然と呼ぶ可きか歴史と呼ぶ可きかを知らない。唯余は汝が余の一切の生活――歡喜と悲哀と戀愛と罪惡と――を漂し行く絶大なる力なることを知る。やむを得ずんば余は汝に對して弱小なる余を憐めと云はう。併し許さる可くは余は一切のセンチメンタルなる哀泣と嘆願とを避けて、唯汝と一つにならむことを祈りたい。汝と共に働き、汝と共に戲れ、汝と共に殘虐し、汝と共に慈愛する者とならむことを祈りたい。(七月六日夜)