かんかん虫

有島 武郎 完結 全2話 1.1万字 約23分 2003年3月10日 更新

ドゥニパー湾の水は、照り続く八月の熱で煮え立って、総ての濁った複色の彩は影を潜め、モネーの画に見る様な、強烈な単色ばかりが、海と空と船と人とを、めまぐるしい迄にあざやかに染めて、其の総てを真夏の光が、押し包む様に射して居る。丁度昼弁当時で太陽は最頂、物の影が煎りつく様に小さく濃く…
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初出 — 「白樺」1910(明治43)年10月

底本: 日本プロレタリア文学大系 序(三一書房) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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